ワインの原料はぶどうですが、ぶどう以外のフルーツを原料にして作るフルーツワインは、世界でも造られています。代表的なフルーツワインに、りんごを使った「シードル」がありますが、甘口から辛口までさまざまな味わいのものが造られます。その他に、ワインにフルーツ果汁やスパイスを混ぜて造る「サングリア」もフルーツワインの一種です。日本ワイン生産者が造るフルーツワインはイチゴやあんず、みかんなど、地方の名産フルーツの味わいをカクテル感覚でおしゃれに楽しんでいただけますので、ワイン初心者の方にも評判です。アルコール度数も通常のワインより低いので、お酒があまり得意でない方にもおすすめです。
日本ワイン生産者がワイン造りのノウハウを使って造ったフルーツワインの中には、ワイン愛好家も唸るほど本格派の味わいのものも登場してきており、今後日本ならではの進化を遂げていく可能性を秘めたフルーツワインに注目が集まっています。
地域毎の味わいの違いを楽しめる
りんごやマンゴー、みかん、イチゴ、あんずなど、日本全国各地には多種多様な名産フルーツがあります。地域それぞれの気候風土に合ったフルーツが栽培されており、優れた農業技術を誇る農家さんが元々は食用として手間暇をかけて造るため、原料フルーツの品質が高いのが特徴です。それぞれの土地の味わいの違いを楽しめる特産品として、地域ブランディングにも貢献しています。
新興ワイナリーを応援できる
日本ワイン生産者は、基本はぶどうを原料にワインを造りますが、昨今の新興ワイナリーブームや農家の高齢化によって、原料ぶどうが十分に確保しづらい状況が続いています。日本の酒造免許は年間最低製造数量が決められており、ぶどうは植えてから3年~5年経たないとワインに出来ないため、特に新興ワイナリーはぶどうだけでは規定量の原料調達が出来ないケースがあります。そのため、ぶどうが育つまでの間、フルーツワインを造って規定の生産量をクリアし、経営を安定させる重要な役割も担っています。日本ワイン生産者のフルーツワインを飲むことで、日本ワイン産業の発展に貢献することができるのです。
日本のスーパーで売っているフルーツをみると、大きさが揃っていて見た目にもきれいなものが並んでいます。その陰では、市場に出せない規格外のフルーツが行き場を失って廃棄されるケースが多々あります。そういったフルーツを日本ワイン生産者が引き取ってフルーツワインにする、サステナブルな取り組み(アップサイクル)も進んでいます。フルーツワインを飲むことは食品ロスの削減に繋がり、日本の農業の未来を支えることに繋がっていきます。
フルーツワインには、製造方法の違いから以下の2種類に分類できます。製造方法によって感じられるフルーツの風味が違ってきますので、お好みのものを探しやすくなります。
1:ぶどう以外のフルーツを発酵したもの。
代表的なものに「シードル」があります。ワインと同様にフルーツそのものを発酵させて造るため、フルーツ本来の風味をお楽しみいただけます。ワインのような本格的な味わいになるのも魅力で、ワイン愛好家の方にもおすすめです。
2:ワインにぶどう以外のフルーツの果汁を加えたもの。
代表的なものに「サングリア」があり「フレーバードワイン」と呼ばれることもあります。ベースとなるワインの味わいの特徴が強く出ますが、よりフルーツ感をダイレクトに味わうことが出来ます。加えるフルーツ果汁の風味が合わさってフルーツカクテルのような飲みやすい味わいになるため、ワインが苦手な方にもおすすめです。また、複数のフルーツやスパイスを使うなど自由度が高く、オリジナリティのある複雑な味わいを出すことが出来る点も魅力です。
わいんびとでは、日本ワイン生産者が造るフルーツワインの普及を支援しています。日本ならではのクラフトマンシップ溢れるフルーツワインをお楽しみください。