鍋料理と日本ワイン

絞り込み
鍋料理に合う日本ワインとは?

日本の国民食である、鍋料理。これから寒くなるにつれて、ご家庭や料飲店で鍋料理を楽しむ機会が増えると思います。鍋料理の魅力は、複数人でひとつの鍋を囲んでわいわい楽しめるところですが、最近では個食化の進行によって「一人鍋」文化も浸透してきており、老若男女問わず様々なシチュエーションで楽しめる鍋料理は、今や日本を代表する国民食のひとつと言えるでしょう。鍋料理に合う日本ワインと聞いて、具体的にイメージ出来る方はまだ少ないかもしれません。元々、和食との相性が抜群にいい日本ワインは、様々な鍋料理との組み合わせを楽しむことができるのが魅力です。最近では、和風から洋風までバリエーション豊かな鍋料理がありますが、わいんびとではご家庭でも人気のベーシックな鍋料理と日本ワインとの相性を紐解いてみました。


「もつ鍋」に合う日本ワイン

もつ鍋は、もつの独特の風味とコクが楽しめる鍋料理。もつ鍋のスープの味といえば、塩、醤油、味噌の3種類が定番ですが、スープというよりモツとの相性を第一に考えると、ワインを選びやすくなります。ワイン選びのポイントは、もつの風味に負けない華やかな香りと唐辛子の辛味を和らげてくれる果実味があること。白ワインだと、リースリングやピノグリ、ゲヴュルツトラミネールといったアロマティック品種。赤ワインでは、ピノ・ノワールやメルローなどフルーティな果実味のワインがおすすめです。特に醤油ベースのスープには赤ワインがおすすめです。

おすすめのワイン
Polaris リースリング / LE MILIEU(長野県)

「すき焼き」に合う日本ワイン

すき焼きは、甘辛い割下で煮込んだ薄切りの牛肉や野菜、豆腐やこんにゃくなどの具材を卵にくぐらせていただく鍋料理です。ワイン選びのポイントは、醤油との相性が良く、割下の甘みと濃厚さに馴染むような程よいボディ感があること。代表的な選択肢としては赤ワインになりますが、醤油との相性が抜群の甘いベリー香が特徴的なマスカットベーリーA、メルローやカベルネフランなどのボルドー系品種など。合わせる赤ワインをすき焼きの割下に少し混ぜると、更に相性がよくなるのでおすすめです。また、瓶内二次発酵で造られた旨みの強い本格派のスパークリングワインもおすすめです。繊細な和牛のすき焼きの場合、肉の甘みを引立てるロゼワインを合わせても良いです。

おすすめのワイン
晃葉 ‐ 弧(きゆみ)‐ / グランミュール(長野県)

「キムチ鍋」に合う日本ワイン

キムチ鍋もご家庭で定番の鍋料理です。ワイン選びのポイントは、やはりキムチのスパイシーでピリッとした辛味を和らげる甘みとコク、豚肉の旨味を引き立てる酸味の強すぎないマイルドな口当たりであること。リースリングやゲヴュルツトラミネールなどの甘口の白ワインや、やや甘口のロゼワインやロゼスパークリングがおすすめです。また、日本ではまだ生産が少ないですが、酒精強化ワインもキムチと好相性です。

おすすめのワイン
ハニービーナス / せらワイナリー(広島県)

「水炊き」に合う日本ワイン

水炊きは、清湯で食材の旨味を引き立てる鍋料理。ワイン選びのポイントは、シンプルに食材の味わいを引き立てるニュートラルで軽やかな味わいであること。特に、甲州やソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどが適しています。そしてポン酢との相性を考えて、柑橘系のアロマをもった白ワインを選択するとより相性が良くなります。逆に主張の強い個性的なワインや樽が効きすぎていたりフルボディの赤ワインは水炊きの繊細な風味がかき消されてしまうため、おすすめいたしません。

おすすめのワイン
勝沼甲州 / ロリアンワイン(山梨県)

「ちゃんこ鍋」に合う日本ワイン

ちゃんこ鍋は、鶏ガラスープをベースとして、肉や野菜、魚介類などさまざまな食材を用いることで良いだしが出て、具材に味が染み込み、複雑な味わいが楽しめる鍋料理です。栄養価が高く、具材の豊富さが特徴的です。このような力強い鍋料理に合わせるワイン選びのポイントは、骨格のしっかりとした豊かな果実味を持つ赤ワインがおすすめです。メルローやツヴァイゲルトレーベ、ヤマソーヴィニヨンなどが好ましい選択肢となります。これらのワインは、ちゃんこ鍋の濃厚かつ複雑な風味と調和し、スープの旨味をより引き立ててくれます。

おすすめのワイン
メルロー / はすみふぁーむ&ワイナリー(長野県)

「寄せ鍋」に合う日本ワイン

寄せ鍋は様々な具材が寄せ集められた、複雑な味わいを持った鍋料理です。使う具材はちゃんこ鍋と似たところがありますが、カツオや昆布などの魚介ベースの出汁を使うところが大きな違いです。ワイン選びのポイントは、魚介系との相性を意識すること。特に、スパークリングワインは鉄板です。白ワインの場合は、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリなど、フルーティーで華やかな味わいのワインがおすすめです。日本ワインには、辛口のロゼワインやライトボディの赤ワインでも魚介系に合うものが多数ありますので、これらのワインは寄せ鍋の複雑な味わいと調和し、食事を楽しむのに最適です。

おすすめのワイン
海のペティアン ロゼ / 神田葡萄園(岩手県)

その他にも、日本にはご当地鍋などまだまだ沢山の鍋料理がありますので、ベーシックな鍋料理を参考に、色々な鍋料理と日本ワインとの組み合わせを試してみてください。ぴったり合うワインが見つかった時の喜びは格別ですので、お好みの組み合わせを探してみるのも日本ワインの楽しみ方のひとつです。


52アイテム