日本の国民食である「餃子」。餃子の味わいは具材や調理法、つけダレ、トッピングなどの組み合わせによって無限のバリエーションを持ちます。今回「餃子と日本ワイン」の相性を紐解くにあたり、最も広く親しまれている典型的な餃子の風味に合わせたワインの相性を検証し、多くのワイン愛好家に楽しんでいただける内容に仕上げました。餃子の具材はベーシックな「豚ひき肉、キャベツ、ニラ」を基準としています。
視点1. ニンニクの有無で変わる相性
刺激の強いニンニクとの相性を考える際、ワインの持つ果実味の強弱が重要になります。
ニンニクあり:ニンニクの刺激を和らげつつ味の調和を取るために、樽熟成をした凝縮感のあるワインや、厚みのある果実味をもったワインの方がニンニクの辛味を和らげてくれます。
ニンニクなし:よりニュートラルな味わいのワインの方がバランスが取れます。日本ワインの繊細な味わいが、野菜の自然な甘みや豚肉のコクを引き立ててくれます。
視点2. 調理方法で変わる相性
焼き餃子:香ばしさが増すため、酸味と果実味がしっかりとしたワインが好ましいです。
水餃子:シンプルで繊細な風味を楽しむため、ニュートラルな味わいのワインが適しています。
蒸し餃子:焼き餃子よりもマイルドなので、軽快でフレッシュな味わいのワインが合います。
視点3. つけダレの違いで変わる相性
酢醤油:酢の酸味が強くなるため、酸味が主張しすぎない果実味豊かなワインがベストです。
ラー油入り:スパイシーさを抑えつつも、豚肉のコクを引き立てる樽熟成したボリュームのあるワインが良いです。
ポン酢:ポン酢の酸味と甘みとバランスを取るには、ワインにもある程度の旨みが必要になります。この場合、昆布ポン酢など、つけダレにも旨み成分が含まれている方がより馴染みやすいです。
視点4. トッピングで変わる相性
餃子にトッピングする場合、それぞれの独特な香味に合わせたワイン選びが重要です。
柚子胡椒: 爽やかな柚子の香りと辛味が加わるため、柑橘系の香りをもつワインが良いです。
大葉: 独特の香りをもつ大葉には、同じくハーブ系の香りを持つワインが最適です。
生姜: 生姜のスパイシーで爽やかな風味には、フレッシュで酸味がしっかりとしたワインが良いです。
香味の強い餃子には、甲州やシャルドネのようなニュートラルな味わいの日本ワインが比較的相性が良いです。これは、餃子特有の香味に対して、酸味や果実味などの強弱でバランスを取りやすいためです。ニュートラルな味わいは、餃子の複雑な風味を引き立てる一方で、クリーンなフィニッシュを提供するため、様々なバリエーションの餃子と合わせやすいのです。ワイン選びの際は、酸味が最も重要です。餃子の油分や豚肉のコクに対して、酸味があるワインが口の中をリフレッシュさせ、食欲を増進させます。また、餃子の野菜成分やニラの香りには、ハーブや柑橘系の爽やかなアロマを持つワインが相性が良いでしょう。さらに、豚肉のジューシーな旨味を引き立てるために、豊かな果実味を持つ旨味系のワインも相性が良いと考えられます。
1. スパークリングワイン
スパークリングワインは、炭酸による清涼感と酸味が特徴で、餃子の脂や旨味をリフレッシュさせ、食べ進めやすくなります。特に焼き餃子との相性が抜群です。
相性の良い餃子:
ニンニク あり、なし
調理方法 焼き餃子
つけダレ 酢醤油、ラー油入り
トッピング 生姜
おすすめのワイン
下北ワインKanon Sparkling / サンマモルワイナリー(青森県)
ロゼッタ・スパークル / ART PAYSAN WINERY(岩手県)
2. 白ワイン
白ワインは、酸味の強弱がポイントで、餃子の油っぽさや香味野菜との相性が良いです。日本の白ワインを代表する甲州は、酸味が強すぎない旨味のあるタイプを意識して選ぶと良いです。醸し発酵をした白ワイン(オレンジワイン)もおすすめです。
相性の良い餃子:
ニンニク あり、なし
調理方法 水餃子、蒸し餃子
つけダレ 酢醤油、ポン酢
トッピング 柚子胡椒、大葉
おすすめのワイン
勝沼甲州シュールリー / 麻屋葡萄酒(山梨県)
山のブラン / 大迫佐藤葡萄園(岩手県)
3. 赤ワイン
赤ワインと餃子とのマリアージュは慎重に選ぶ必要があります。餃子自体は比較的軽い料理であるため、タンニンが重すぎないライト~ミディアムボディの赤ワインが良いです。酢を使う際は、黒酢やバルサミコ酢を使うと馴染みやすくなります。
相性の良い餃子:
ニンニク あり
調理方法 焼き餃子
つけダレ 酢醤油 ※酢の種類もポイント
トッピング なし
おすすめのワイン
マスカット・ベーリーA 樽熟成 / ART PAYSAN WINERY(岩手県)
一慶 / ふくしま農家の夢ワイン(福島県)
4. ロゼワイン
ロゼワインは、赤ワインの果実味と白ワインの酸味を兼ね備えており、餃子のさまざまな風味とバランスを取りやすいスタイルです。特に、日本ワインの軽やかな味わいは、餃子の脂分や香味野菜に対して爽やかなアクセントを加えます。
相性の良い餃子:
ニンニク あり、なし
調理方法 焼き餃子、蒸し餃子
つけダレ 酢醤油、ラー油入り、ポン酢
トッピング 生姜、大葉
おすすめのワイン
ツヴァイゲルトレーベ ロゼ / 大迫佐藤葡萄園(岩手県)
CARTA(マスカットベーリーA)ロゼ / THREEPEAKS(岩手県)