アーティスト・ミレイヒロキ氏がせらワイナリーを訪問!

先日、HANAGOKORO WINE PROJECTのメンバーであり、今回のアートラベルを手掛けるアーティスト・ミレイヒロキ氏が、広島・世羅町にある「せらワイナリー」を訪れました。

ハニービーナスが育まれるぶどう畑へ
案内役は、せらワイナリーの醸造長、橋本悠汰さん。案内していただいたのは、世羅町で最もワイン用ぶどうの種類を多く栽培されている栽培家の畑でした。世羅町は標高400~500mに位置する分水嶺に位置するため、水はけがよく、夏場の寒暖差も大きい果樹栽培に適した環境で、広島県内でもフルーツ王国として知られています。

眼前に広がるぶどう畑を前に、自然の恵みを感じながら歩く姿は、まさに作品の着想を探すアーティスト。樹齢20年のハニービーナスの畑では、一粒一粒のぶどうが大切に育てられ、その背景にある生産者の情熱を間近で感じ取っていただきました。

ワイン用のハニービーナスはすでに収穫を終えていましたが、今年は糖度が高く、例年以上に上質なワインが期待できるとのこと。畑に残っていた果実は糖度23度近くにも達し、ひと口含むと、芳醇な甘みが口いっぱいに広がり、一同、思わず笑みがこぼれるほどの味わいでした。

橋本醸造長・談
”味だけなら、シャインマスカットより美味しいと思う。”
確かに、クリスピーなシャインマスカットよりも甘みが豊かで、高糖度のハニービーナスのはちみつのような上品なくちどけと豊かな芳香性に驚きます。せらワイナリーでは、ぶどうが持つ自然な風味をそのままワインにするため、補糖・補酸は行いません。

左の方は、せらワイナリーの品質を支える、栽培家の矢山さん。
ちょうど収穫されたぶどうが醸造所に届いていました
せらワイナリーの収穫箱は10kgと他社よりも小ぶり。この理由は、1日に何トンものぶどうを人力で除梗破砕機に入れるため、1箱が重いと作業効率が落ちるからだそう。また、傷つきやすいぶどうの果実も重量で下のぶどうが押しつぶされにくい分、よい状態で仕込めるため、品質維持にもつながります。こんな細かいところにも秘密があるんですね。

ハニービーナス ヌーヴォーが育まれる醸造所内部へ
続いて、ワインの香りが漂う醸造所へ。まさに醸造中のワインの鼓動を感じる空間で、ミレイヒロキ氏は醸造長の解説に耳を傾けながら、ワインが形になるプロセスを真剣に見つめていました。その眼差しには、この場での体験がやがてアートラベルに映し出されていく予感が感じられました。

奥に見える、大きな袋に繋がっている機械は「窒素置換搾汁機」で、日本に数台しかないせらワイナリーの秘密兵器です。ぶどうの搾汁時に酸素に触れさせないことで、ぶどう本来の香りや風味を損なうことなく果汁を絞れるため、ワインの解像度がクリアになります。特にせらワイナリーの独創的なスイーツワインを代表するハニービーナスや、白ワイン用のアロマティック品種においては、圧倒的な違いが生じます。ハニービーナスヌーヴォーを飲む際は、独特のフローラルな香りが心地よく感じられることでしょう。

タンク内で人間のように呼吸するワイン
特別に発酵中のタンク内部を見せていただきました。生き物のように液面がぶくぶくと泡立ち、活発に発酵が進んでいました。発酵中のワインは人間が呼吸をするように、二酸化炭素を発生させるため、タンクに顔を近づけすぎると失神してしまうので注意が必要です。

アートとワイン、二つの情熱が出会い、重なり合う瞬間。この日のタンクには、仕込みの真っ只中にあるハニービーナス ヌーヴォーが息づき、静かに成長を続けていました。

今回の訪問では、ラベルデザインとワインがひとつの物語として響きあう第一歩となりました。これから完成していく「心の中に、平和の花を咲かせるワイン」に、ぜひご期待ください。
HANAGOKORO WINE PROJECT