焼鳥と日本ワイン

日本の国民食である、焼鳥。焼鳥は様々な部位と味付けの組み合わせがあり、ワインとも相性のいい料理です。1本1本が少量なのでバリエーションが楽しめるのも焼鳥の魅力です。 では、焼鳥に合うワインと聞いて、どんなワインを思い浮かべますか？ 多くの方は塩かタレか、味付けからワインをイメージするかもしれません。でも実際のお店では部位によって塩とタレが様々に提供されることが多く、ワインとのペアリングの楽しみ方も多彩です。 わいんびとでは日本ワインのタイプ別に相性を考えてみました。

スパークリングワインは塩でもタレでも相性のいい、万能型です。洋食コースでも、最初から最後の皿までスパークリングワインのみで通すこともあるぐらいです。焼鳥と合わせると、程よい酸味と果実味が素材の味を引き立て、泡立ちが鶏の脂をすっきりと流して、口の中をリセットしてくれます。正肉から内臓系まで幅広く対応できますので、迷ったときは、スパークリングワインを選択しておけば間違いないでしょう。 日本ワインでは、大きく分けて炭酸ガス充填タイプと瓶内二次発酵タイプの２つのタイプのスパークリングワインがあります。 炭酸ガス充填タイプは、泡が強めでキレがあり、ビール感覚でカジュアルに楽しんでいただけます。 瓶内二次発酵タイプは、泡がきめ細かくコクがあり、内臓系や繊細な味付けの焼鳥にも対応できる本格派です。 タレとの相性重視の場合は、ロゼのスパークリングワインもオススメです。

ソムリエおすすめのスパークリングワイン
下北ワイン Ryo Sparkling / サンマモルワイナリー

白ワインは塩で？というのは、鉄板でしょう。 焼鳥は、しょっぱすぎず旨みを引き出す塩加減が大事ですが、 食材の繊細な風味を邪魔しない多くの日本の白ワインは、塩との相性もいい塩梅です。 わさびや梅肉などの薬味との相性がいいのも、日本の白ワインの特徴です。たとえば、柑橘系のアロマとキリっとした酸を持つ甲州やシャルドネ、ソーヴィニヨンブランといった品種の白ワインを1本持っておくと便利です。 また、醸し発酵をした白ワイン（オレンジワイン）は、ロゼワインのような風味も持っているので、タレにもおすすめです。

ソムリエおすすめの白ワイン
信州の甲州 / はすみふぁーむ＆ワイナリー

そうすると、タレには赤ワインですか？となりますが、 実は日本の赤ワインはタレでも塩でもどちらにも対応できます。 選ぶ際は、部位の脂質の濃淡に合わせたワインのボディ感がポイントになります。 但し、樽香が強すぎたり、重いフルボディの赤ワインは鶏肉の繊細な味や香りをかき消してしまうのでおすすめいたしません。 焼鳥には、日本ワインのようなライト～ミディアムボディの赤ワインはぴったりです。 もし塩に合わせる場合は、日本の中でも冷涼な地域の赤ワインがおすすめです。 酸がしっかりしているので、ぼんじり等の脂の多い部位にも対応できます。また、赤ワインを選ぶ際は、産地と品種の組み合わせを意識しながら選ぶといいでしょう。 たとえば、日本固有品種のマスカットベーリーAは万能型で、醤油ベースのタレとの相性も抜群です。 その他の日本固有品種、ブラッククィーンや北の夢もおすすめです。 また、東北地方や長野など冷涼な地域のメルロやツヴァイゲルトレーベ、ピノノワールもいいですね。 部位別の相性でいうと、正肉には万能型のマスカットベーリーAやツヴァイゲルトレーベ、内臓系にはピノノワールやブラッククィーン、ぼんじりなどの脂の多い部位はメルロやヤマソーヴィニヨンがおすすめです。

ソムリエおすすめの赤ワイン
ルージュ / 神田葡萄園

国民食の焼鳥と相性抜群の日本ワイン。多様な味わいから、様々な組み合わせが楽しめるのが魅力です。ぜひ、あなたにぴったりの1本を見つけてみてください。